自然派きくち村

自然栽培、農薬・肥料不使用のお米とお野菜。
ストレスをかけない放牧された牛、豚、鶏のお肉。
こだわり抜いた調味料。
それらを使用した惣菜にスイーツ。

2020.07.21_ワインの試飲会 in 渡辺商店

ふたりのイタリアンシェフがご意見番!

熊本県菊池市はのどかな田舎町。その中に素晴らしいイタリア料理店が2店もあるのですが、どちらも本場の味を再現されている大変貴重なイタリア料理店なんです。今回はきくち村で取り扱い予定のワインの試飲をしていただくためにお呼びしました。

「コントルノ食堂」シェフ:菊池健一郎さん

菊池の温泉街の中に”どこでもドア”のような異空間に連れて行ってくれる「コントルノ食堂」のシェフ。ナチュラルワインのイベントにもお馴染みで、大きな身体と繊細な手捌きで確かなお料理を作られるシェフです。
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「リストランテ ドゥエ マンメ」シェフ:高武(こうたけ)美咲さん

菊池の中心地から外れた里山の穏やかな空気の中で、古民家を改装して洗練された空間でお料理を提供されている「リストランテ ドゥエ マンメ」のシェフ。イタリア・トスカーナ出身のご主人とおふたりのお子さんの子育てをされている現役のおかあさま。イタリアで学ばれた優しい現地のマンマ(おかあさん)の味を再現されています。
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おふたりには、すでに渡辺商店のホームページで販売されている、ワインに合うお惣菜『走る豚のリエット(コントルノ食堂)』と『キビナゴのオイル漬け(リストランテ ドゥエ マンメ)』を作っていただいています。それに合わせて、最近、渡辺商店のお客様からナチュラルワインの問い合わせが増えてきた背景もあり、取り扱い予定のワインの試飲をしていただくため、お集まりいただきました。

わたし自身も神奈川県鎌倉市で、イタリア料理の勉強をしながら主人と飲食店をしていました。出来る限り、地産の無農薬野菜を使い、それに合わせてナチュラルワインを提供させていただいていたので、普段からナチュラルワインに親しみを持っています。食材の安全性を求めて九州に移住した後、辿り着いたのが渡辺商店でした。現在、主人はこちらのスタッフとして勤務させて頂いています。そんな訳で、今回、主人がこの企画の担当をすることになり、おふたりのシェフからワインのお話を伺える貴重な時間を、わたしたちはとても楽しみにしていました。

さぁ、試飲会のときです!

迎えた新月の日。突然の叩き付けるような夕立に、夏の太陽を浴びた地面がむせ返るように熱を吐き出します。九州に来て、この亜熱帯のような気候に夏の訪れを感じるようになりました。強い雨に身を縮めながらお店のドアをくぐると、いつもと違うレイアウトとテーブルに並べられたグラス達。

左:「コントルノ食堂」シェフ:菊池健一郎さん、右:「リストランテ ドゥエ マンメ」シェフ:高武美咲さん

テイスティング用には、左から、スパークリングワイン、微発泡の赤ワイン、白ワイン3種、赤ワイン3種の計8種類のイタリア産ワインが用意されていました。ワインをお願いしたインポーターはトレジャーフロムネイチャーの渡辺さん。ご名字からして渡辺商店とご縁を感じるインポーターさんです。こちらで取り扱われるワインはナチュラルワインと言って、化学肥料や化学農薬を使用しないビオディナミやビオロジックと言われる栽培方法で作られた葡萄を野生酵母で自然発酵させる醸造方法で作り上げられたワインを扱われています。

ナチュラルワインについて→詳しくはこちらをご覧ください

心地よい緊張感が漂う試飲会

わたしたちも、何件かのワイナリーや葡萄の生産者さんを訪問させて頂きましたが、果実の栽培に農薬を使わないことは非常に難しく、ワインのような加工品にする為には生産量が必要になる為、多くの場合、農薬は使用されているところも多いようです。ナチュラルワインの生産者さんは生産性よりも各々の哲学や自然保護の観点、自身の生き方に基づいて、プライドを持ってワイン作りをされている方ばかりで、自分たちの作っている商品に対しての考え方や姿勢は、渡辺商店の生産者さんと共通するストイックさと優しさがあると感じます。
並べられたグラスを端から順番に手に取り、色、香り、ひと口目とふた口目の味、余韻、全体のバランス…今まで飲まれてきた膨大なワインのデータを思い起こされるよう、慎重に味わわれているおふたりの姿に、わずかな緊張感が空間に走ります。この香りに似ているもの、この味で思い出したこと、どんな料理に合わせて、どんな風に楽しみたいか…おふたりの記憶の中の短い旅に連れて行っていただきました。おふたりが比喩される味やイメージをお伺いするたび、お料理への愛情がしっかりと浮かび上がってきます。ご自身も食べることが大好きで、自身の料理を食べてくださる方への愛情があるから、それぞれのワインにそれぞれのストーリーを想い描くことが出来るんだと思います。
例えば、誰かがプレゼントをくれたとき、プレゼントを送ってくれた相手が、自分のことを考えながら選んでくれた時間まで想像すると、とても愛しい気持ちになりませんか。食材を選ぶことも、それを作っている時間も…食べてくれる相手を思想い描けるからこそのストーリーがあると思います。(自分で選んで作ったものも、自分自身への愛情だと思うととても素敵ですよね!)

緊張感から解き放たれる和やかな香り

少しずつ飲み進めていくうちに、美味しいお酒の力が働いて和やかな空気が漂ってきました。折角ならスタッフの皆さんと、あれこれ言いながらテーブルを囲んでテイスティングしたいところでしたが、今回は新型感染症感染拡大防止の為、シェフのおふたりが向かい合わないように気を配って開催されました。
どのワインも個性に溢れているのに、飲み疲れない自然の美味しさ。一般的に販売されているワインに慣れていると、全く違う飲み物のように感じるかもしれません。ですが、ひとたびナチュラルワインを知ってしまえば、その素材を感じる味に虜になってしまうことでしょう。ナチュラルワインは日本酒に近いようなストレートな口当たりのものが多いので、意外と和食や中華などにも合うんですよ!ご自宅のお料理に一度合わせてみて頂きたいです。ワインは抜栓してすぐ飲まなければいけないから…思われている方も多いかもしれませんが、抜栓してから日を追うごとに変化する味も楽しみのひとつです。長いもので抜栓後1〜2週間は大丈夫なものもありますが、ゆっくり飲みたい方は、3〜4日くらいで飲まれるつもりで開けられるのが良いかと思います。(美味しくてその日に飲み切ってしまうかもしれません!)飲みきれないときは是非、洋食の料理酒としてお使いください。お料理のレパートリーが広がりますよ。

科学的根拠はないそうですが、ナチュラルワインは化学処理や亜硫酸塩の添加が抑えられているものが多い分、二日酔いになりづらいというのもナチュラルワイン好きの方には有名な話のようです。同じ作り手のワインでも、生産された年によって、あるいは同年でも樽によって味わいが微妙に異なることがあるそうですが、それも人為的に操作されていない証拠でもあると思います。
その違いも楽しんでいただきたいです。

それぞれのワインに対して、味のご感想やおすすめのシチュエーション、相性のいいお料理など伺いましたので、今回、試飲していただいたワインについては、各ワインの商品ページにシェフのおふたりからのコメントを添えさせていただきました。お食事やシチュエーションに合わせて参考にしていただければと思います。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、気付いたら、あんなに強かった雨も上がっていました。とても充実した気持ちになったのは、美味しいワインとその空想の旅行に出掛けられたからかなと、新月の暗い夜空を見上げて想うのでした。

※この試飲会は7月21日に開催されました。通常営業時も店頭はもちろん、配送の仕分けをされている倉庫でも、スタッフの皆さんはいつもマスク着用でお荷物の準備をされていますので安心してくお買い物なさってくださいね!

アルド・ヴィオラ_クリミーソ_2017

KRIMISO Terre Siciliane IGP / 白 / 750ml / 12.5%vol、カタラット100%

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アルド・ヴィオラ_コチネッラ_2018

Terre Siciliane IGP 赤 /750ml / 14.0%vol、シラー100%

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カンリーべロ_トッルンピーゾ_2018

赤 / 750ml / 13.5%、アリアニコ 100%

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カンリーべロ_ヴイ・フォー・ヴィットリオ_2018

Vino Bianco / 白 / 750ml / 12.5%vol、トレッビアーノ 70%、フィアーノ 30%

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コントルノ食堂 走る豚のリエット120g

 きくち村でもお馴染みの走る豚を使った美味しいリエットができました。リエットとはパテに似たフランスの伝統的な肉料理。今回は地元菊池にお店を構える「コントルノ食堂」の菊池さんにお願いして、調味料や他の材料も全てきくち村原料で作っていただきました。

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キビナゴのオイル漬け 80g

 きくち村の地元でもある菊池で本格イタリアンが楽しめるお店「リストランテ・デュエ・マンメ」ときくち村とのコラボレーションで実現した商品、キビナゴオイル漬け。鹿児島県で水揚げされたキビナゴを使い、オーガニックオリーブオイルとオーガニックヒマワリオイルの2種類のオイルにじっくり漬け込んで味付けしました。

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ライタープロフィール

料理家。鎌倉の外れで夫婦で小さな飲食店を経営中にシュタイナー食物論に出会い、食に向き合う為、九州へ移る。すぐに子どもを授かり、子育て中に主人が農業研修を受け自然栽培に興味を持ち、2019年夏に熊本県菊池市へ移住。オーガニック食材を使用したお料理・パン・お菓子などをヴィーガン対応で作っています。フードスタイリングやレシピ考案、夫婦での出張食堂「10」など、食にまつわることを手掛ける。 「小さな宿と食卓のお店」を構想中(現在は物件探し中)。

根本さんが作られた料理写真など→ Instagram

生産者の名前
amb./10(根本ゆり佳)