自然派きくち村

自然栽培、農薬・肥料不使用のお米とお野菜。
ストレスをかけない放牧された牛、豚、鶏のお肉。
こだわり抜いた調味料。
それらを使用した惣菜にスイーツ。

きくち村の小さな旅 第3回「まるごと食べる 1月」 2019年

 1月のとある日、新年初めての野菜納品できくち村を訪れてくれた「かもめ農園」園主の今坂さんと「菊芋」について話しているとき、たまたま隣にいた菊芋に詳しい業者さんが目を輝かせ興奮気味に教えてくれた。「菊芋のコロッケがたいぎゃうまかですよ。」「体にもよかし、糖質制限にもなって一石二鳥ですたい!」
 早速、本物のアレ研究所の室原姉さんに相談し、試作を作ってもらうことになった。

 室原姉さん・中尾さんと向かったのは、きくち村から20分程の合志市にある「かもめ農園」。園主の今坂さんはきくち村の元スタッフで当時はデザインを担当し、きくち村オリジナル商品の洒落たラベルや粋なネットショップデザインを手掛けていた。私と今坂さんの出会いは約8年前。きくち村に入社する前も、九州の食に関する出版社で関東からのUターン組として働いていた仲であった。志を同じとする仲間としてきくち村を盛り上げようと菊池温泉街の哀愁漂うスナックで朝方まで語りあった日々がとても懐かしい。

 そんな今坂さんがきくち村を卒業し新規就農で農業を初め、「かもめ農園」として多品種種のオーガニック野菜を栽培している。この時期の畑には菊芋・ビーツ・にんにくなどが整然と並んでいた。自然栽培菊芋は3年前から栽培を初め「かもめ農園」の主力作物となっている。きくち村をはじめ、近所の物産館等でも大人気で、この時期は毎日菊芋掘りに精を出しているという。菊芋畑に到着すると一見荒れ果てた畑のような光景に3人目を合わせこの畑に本当に菊芋があるのかと疑った。

 「今坂さん、ここに本当に菊芋があっとですか」と質問すると「あるに決まっとったい」と満面の笑みで答えてくれた。この時期は収穫時期で2〜3メートルはある菊芋の茎は枯れ果て畑に横たわっていた。その茎の根本を掘り起こすと新鮮な菊芋がごろっと顔を出した。
 2反程ある菊芋畑が1/3程収穫が終了しており全て手掘りで収穫してあることに驚き、きくち村時代よりも引き締まった体つきの要因がわかり、私の体と比較し羨ましく思えた。

 今回の小さな旅では生産者にも「本物のアレ」を食してもらいたいと思い、菊芋畑での調理を試みた。今回調理したのは「菊芋と蓮根の根菜ハンバーグ」。コロッケを考えていたがよりヘルシーにするため室原姉さんのアイデアで油をあまり使わないハンバーグに変更した。今坂さんにも調理を手伝ってもらい畑の澄んだ空気の中で楽しい野外調理を満喫できた。使用した材料は「菊芋・蓮根・たまねぎ・人参・にんにく」の根菜中心。肉を使わず根菜をまるごと使った“本物のアレ”が完成した。

早速、今坂さんに試食してもらうと「これはうまい!全然クセもなく、蓮根の食感がアクセントになり菊芋の甘さも程よく柔らかでいいね!」さすがきくち村元スタッフ、的確な感想に私もニヤリとした。調理をした室原姉さんも安堵し、皆で菊芋談義に花を咲かせた。

その場で“きくいもハンバーグ♪”を作っちゃいました。

 就農2年目、試行錯誤しながらその土地にあった生産物を見極めながら生産計画を立て
失敗もしながら、家族を養うため新しい栽培方法や作物などにもチャレンジし四六時中動き回る姿は以前よりも清々しく、たくましく、充実した日々を満喫しているように思えた。
 「かもめ農園」どこまでも続く大海原を飛び回るかもめのように、世界中のオーガニックな世界に羽ばたいてもらいたいものだ。

 “きくち村の小さな旅”2月に続く。

文・写真

きくち村スタッフ:坂本信也
…きくち村に2013年入社。営業部所属・お米栽培

きくち村で日々てんてこ舞いになりながら働く傍ら
出勤前・休日には実家の「農園さかもと」で畑を耕す“リーマン農人”
きくち村の「畑から始まる商品作り」を実践するため日々奮闘中!

生産者の名前
きくち村スタッフ
坂本信也

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