自然派きくち村

自然栽培、農薬・肥料不使用のお米とお野菜。
ストレスをかけない放牧された牛、豚、鶏のお肉。
こだわり抜いた調味料。
それらを使用した惣菜にスイーツ。

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松本さんの自然栽培じゃがいも 1kg..

価格
800円(内税)
在庫数
19
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自然栽培米の生産者、松本さんのじゃがいも

 きくち村で取り扱う自然栽培米「つむぎ」の生産者、松本さんよりじゃがいもが届きました。きくち村から車で2時間ほど、福岡県朝倉市にある松本さんの畑でお米と同様、丹精込めて育てられました。
 農薬・肥料を使っていない自然栽培です。大小取り混ぜて1kg、鮮度を保つために土付きでお届けします。

品種は「デジマ」です

 1970年代に、長崎の出島にちなんで命名された「デジマ」は、主に西日本で栽培されることが多い品種です。芽が浅く、表面の凸凹が少ないので調理しやすく、食味にもすぐれています。男爵のようなホクホク感がありながらメークインのような粘質も感じられ、両者の中間のような食感です。
 程よく煮崩れ、煮物やカレー、味噌汁などによく合います。変色が少ないのでポテトサラダやコロッケ、ポテトチップなどにも向いています。
 洗って土を落としてみると、白っぽくて滑らかな外観。お試しで蒸しじゃがにしてみましたが、皮が薄くてむきやすく(もちろん皮付きでもいけます)、ホクホクとして甘みもある、とても美味しいじゃがいもでした。

松本農園という生き方

 よく晴れた10月初旬、私たちは福岡の朝倉市にある三奈木(みなぎ)という地域を訪れました。長年ここでお米やお野菜を作る松本一宏(まつもとかずひろ)さんに会うためです。松本さんは、松本農園の園長。先祖代々の土地と家を守り続け、家業ともいえる農業に従事し、さらに自然栽培という大きな巨塔を登り続けています。
 松本さんの挑戦が始まったのは二十数年前。十代で丁稚奉公(でっちぼうこう)として一度家を出て、二十代で家業を継ぐためにここ三奈木に戻ってきました。当時の松本家の生業は養豚、養鶏、そして農業だったそう。仕事を一つ一つ覚えていき、おおよそ一人前として認められた頃、帳簿を見た松本さんは愕然とします。家業として生計はたっていたものの農業としての収支はマイナスだったのです。「赤字の事業ならやめた方がいい。」そう思った松本さんは、自らの考えを父親や家族に相談します。帰ってきた答えは「何をバカな事言ってるんだ。」というものでした。
「確かに赤字にはなっているが、お前は何を食べてここまで大きくなったんだ。」
その言葉を聞いた時、松本さんは、自分の浅はかさに気付かされたといいます。松本家にとっての農業とはビジネスとしてだけの手段ではなく、この土地に生き、また繋いでいく文化のようなものだったのです。
それからの松本さんは考え方を切り替えます。
「だったら何が何でも黒字になるようにやるしかない。」
まず手始めにやった事は今よりも高い価格で売れる所を開拓する事でした。家を一度出た事で繋がった人脈を駆使し、なんとか少量を納めることができました。その後も持ち前の行動力と努力で、なんとか持ち直す事ができたのでした。

 そうして農家として生活する中で、「今よりもっと美味しくていいお米はできないだろうか。」という考えが生まれます。そこで行き着いたのが有機栽培でした。思い立ったら即行動。自らを「バカなんです。」という松本さんはなりふり構わず有機栽培のお米に挑戦します。今から二十数年前、無農薬やオーガニックの知名度は低く、当然ながら周囲の反発は猛烈なものがあったそうです。しかしやらずにはいられないのが松本さん。反対を押し切り強行突破してなんとか実践するに至ったのです。
最初はうまくいかない事もありましたが有機栽培が板についてきた頃、とあるブログを発見します。その内容は、農薬も肥料も使わない自然栽培の記事だったのです。最初は半信半疑だった自然栽培、しかし調べていくうちに真実にたどり着くことになるのでした。その真実とは「農薬も肥料も使わなくても立派で美味しい作物ができる」という事です。
 インターネットが普及する現代でさえ、いや、だからこそなのか「肥料を与えた方が『大きくておいしい作物』が育つ。」ほとんど刷り込みに近い形でこう思っている人が多いのが現実です。恥ずかしながら筆者である私もつい最近までこう思っていました。ホームセンターで売っている作物用の土にもしっかり肥料が入れてあります。肥料=栄養。これは実の所、必ずしもそうではないのです。

 この事実を知った松本さんはすぐにでも実践したいと、すぐさま行動に移します。当然ながらここでも多くの批判に晒されました。しかし、持ち前のいい意味での「バカさ」が発揮され、何にも分からないままそれまで使っていた有機肥料などをキッパリ断ちます。すると作物はなんとしっかり立派に育っていったのです。見様見真似の自然栽培を始めて2年ほどはこの状況が続いたそうです。
 しかし、自然栽培の世界はそんな甘いものではありませんでした。次の年、それまで立派に育っていた作物が嘘のように、小さく貧相なものになってしまいます。昨年と何ら変わった事もしていないし、気候も例年通り。思い当たる原因は全くもって見当たりませんでした。反対を押し切ってまで始めた自然栽培。この頃の批判や中傷は相当なものだったそうです。鉄のメンタルをもつ松本さんでさえ、この頃は辛かったと振り返っていました。ただ、たまに集まる同じ志を持った自然栽培のコミュニティーが唯一の救いだったといいます。
 大きな挫折の中、ようやくその原因を突き止める事になります。実はこの現象、自然栽培の過程でよくある事らしく、土壌に蓄積された残留肥料がその効果を2年ほど持続させてしまうのだそう。つまり、それまで立派に育っていた作物は残留肥料の効果だったのです。自然栽培の更なる奥深さを知る出来事でした。自然は嘘をつかない。

 自然栽培とは農薬、肥料を与えないだけの農業ではありません。大切なのは自然界とどれだけ調和できるか、稲作や畑作という人の営みも自然界のプロセスに加えてもらうというイメージでしょうか。だから、大まかな正攻法はあるものの、自然栽培にコレというマニュアルはありません。その土地にあう作物、品種、そして豊かな土づくり(自然な状態に戻すこと)。調和。文章や言葉で表現するのは簡単ですが、生半可では決してできないそれはそれは根気のいる作業なのです。
松本さんも例に漏れず、長い時間をかけてより自然に近い土壌に戻していったのでした。

朝倉市三奈木(実奈宜)の一人の人間として

 そうこうしているうちにあっという間の二十数年。やがて農業だけの松本農園として、規模も徐々に大きくなっていきました。今では周囲からの冷ややかな目も批判もほとんどなくなりました。その姿に感銘を受け、賛同する人や実践する人も現れました。三奈木(みなぎ)は旧名、実奈宜とも書きます。松本さんは、この地域の良さや仲間たちの頑張りを発信したいと「M〜」という緩いコミュニティーを作っています。Mはもちろん三奈木のM。〜は「から」と読み、「三奈木から始めよう」とか、「三奈木から発信していこう」というような意味だそうです。自由が好きな松本さんらしく、このコミュニティには決まり事やしきたりはありません。活動も自由です。また、会長や代表も存在しません。「M〜」に関わる全ての人に心地よく過ごしてほしい。そんな思いから「緩いコミュニティー」として活動しています。
 そしてもう一つ大事な使命は、後継者を見つける事。若者の農業(第一次産業)離れが進む今、ここ三奈木も例外ではありません。10年とは言わず近い将来、もっと大変な事になるんじゃないか。松本さんはそんな危機感を抱きながら、三奈木、いや日本の未来を憂いておられました。
 私たちにできる事の一つは、こうして情熱と信念をもって農業を営む松本さんみたいな方をより多くの人に知ってもらいうこと。そしてその価値を少しでも理解してもらう事だと思うのです。

松本農園の自然栽培じゃがいも
名称 じゃがいも
生産者 松本 一宏
内容量 1kg
生産地 福岡県朝倉市
農法 自然栽培