【予約販売・送料込み】ゴダイベストの大玉スイカ(農薬・化学肥料不使用)1玉 7kg前後
こちらの商品は、常温便にてお送りします。
採れたての新鮮なスイカを随時発送となりますので、他商品との同梱はできません。
収穫でき次第、お送りいたします。6月初旬〜中旬ごろまで、順次発送を予定しております。
(天候や気温の変化にて収穫時期が変わってゆきますので、どうかご了承ください。)
ゆうパックでの発送のみとなりますので、よろしくお願いします。※到着日の指定はできません。あらかじめご了承ください。

取材時のスイカ。これからもっと大きくなります!
農薬・化学肥料不使用大玉スイカ
熊本県のスイカの名産地「植木」にほど近い、熊本市北区産の大玉スイカを予約販売でお届けします。
品種は「春のだんらんSP」という大玉スイカ。大きく育ち、スイカらしいシャリ感を持つ美味しいスイカです。
土づくりは畑に生えた雑草をすき込み、そして有機栽培のくず米と竹チップを混ぜ込んでいます。そのほかの肥料や農薬は不使用です。
スイカは収穫後、日数経過とともに糖度も落ちていきますので収穫したてのスイカをお届けいたします。



社会シミュレーションから農業へ「ゴダイベスト」森さん
生産者は熊本市にて「合同会社ゴダイベスト」を営む森俊勝さん。見渡す限りスイカのハウスが並ぶ、その一角が森さんの畑です。2022年よりスイカを栽培しています。
森さんは熊本県合志市の出身。住宅地で育ち、学生時代に農家の友人・知人はゼロ。電子工作やプログラミングが大好きな少年で、地元で進学したのは「高専」でした。「生き物のようなロボットを作りたい」と思っていたそうです。
大学では人工知能や人工生命の研究をしており、工学博士の学位もお持ちです。
就職先は交通や防災、物流、モノづくりなど、社会の事象に対してデータを活用した取り組みを行う企業。プログラミングによって社会シミュレーションを行い、それを現場に活かしていくという仕事をしていました。
ある時森さんは、農村における社会シミュレーションの仕事を請け負い、そこで初めて「農村」という場所の課題や問題に触れることになります。それは森さんにとって非常に興味深く、農村という場所が「面白い」と思ったそうです。
自分のシミュレーションによって農村の課題を解決できないか、そしてこれが農産物にも応用できるのではないかと考えた森さんは、まず自分でも野菜の栽培をしてみたいと思います。しかしその当時東京都内に住んでいた森さん。近くには畑がありません。伝手を頼って畑を借りることができましたが、その場所は埼玉県。
東京23区西部から埼玉県東部の畑へ。首都圏の中でも微妙に地域間の交通の便が悪いところを、時には電車、時にはレンタカーで毎週行き来する、片道2時間30分の家庭菜園生活が始まりました。ここでのデータ収集では、ひとつの畑でも野菜の株ごとに虫のつき方が違うことがわかったりと、たくさんの発見と成果があったそうです。
この畑には自作のセンサーを設置し、温度や湿度などのデータを取りました。最終的には遠隔で行える水やり装置まで自作したそうです。
さて、データは取った。しかしこれをどう活かせばいい?
野菜作りは素人で、特にデータ活用のあてもなかった森さんに、その後面白い話が舞い込みました。


データを活用し、農業で実績を上げる
ある日森さんは仕事関連の知人より、とある県での農業に対しての相談を受けます。
その地域にはイチゴ栽培の新規就農者が7名おり、同じ栽培方法でもそれぞれの個性や違いが出てくるとのこと。このデータ収集と活用を依頼されました。
森さんは7名それぞれの圃場にセンサーを設置しデータを集めました。その蓄積により、7名のイチゴの育ち方の違いや、これをどうしたら良く育つのか、実が大きくなるのかということまでわかってくるようになりました。
データの結果を次の年の栽培に活かす。この方法で7名のイチゴの収穫量は上がっていき、5年経つと地域の生産者のトップになったそうです。
そして故郷・熊本へ
その後森さんはデータを活用した農業の可能性を確信し、農業を対象としてデータ分析やシミュレーションなどの技術を取り入れるべく、地元熊本に戻り会社を立ち上げました。家の近くに畑を借りることもでき、仕事の傍ら「家庭菜園とデータ」の生活に。
現在会社にしている古民家を借りたところ、そこはスイカの産地。森さんも近くに畑を借り、周囲の生産者さんに教えてもらってスイカを作ることにしたそうです。


アブラムシ対策にはテントウムシを放虫しました
“スマート農業”ד農薬不使用”できることを証明したい
ところで、熊本に戻った森さんは、数年前に「スマート農業」の実証プロジェクトにも参加しています。
場所は熊本県山都町。古くから有機農業が盛んな土地ですが、起伏に富んだ地形で棚田が多い場所です。維持・管理のための労働が大きい上に高齢の農業従事者が多く、棚田の保全や技術継承が喪失される懸念がありました。そこにドローンやラジコン、草刈りロボットなどを導入したスマート農業で生産者の作業負荷を軽減し、中山間地域の棚田を守っていくという取り組みでした。
そのプロジェクトでで対象とした圃場も有機栽培。なので森さんは「有機栽培・農薬不使用の農業の考え方がベースになっている」と言います。
現在の場所でスイカを作るにあたり、まず1年目は周囲の指導どおりに慣行栽培で作りました。それを見ていた農家さんから「この畑は地力が強い」と言われ「それなら農薬を使わずにできるかも」と思ったそうです。
ハウスは3棟あり、年ごとに1棟ずつ栽培方法を変えたり、何も作らずに畑を休ませたりしています。スイカを作り始めて4年目、1棟は有機栽培のくず米と竹チップ、そこに生えていた草のみで土づくりをしました。
ちなみに1つのハウス内でも、畑の真ん中と端では生えてくる雑草の種類が違うそうで、そういったことも観察、データとして蓄積しています。
栽培中、ハウス内の温度管理は、設置されたセンサーにより管理。スマホでいつでもチェックすることができ、温度によってハウスの窓を開閉して調節します。その開閉装置も、遠隔操作ができるように自作中なのだそうです。


左)ハウス内の雑草による土づくり 右)温度管理センサー
周囲の生産者の方々は皆慣行栽培。「無農薬ではできないよ」と助言を受けたこともあるそうなのですが、森さんは「できる」と考えているそうです。手間暇のかかる農薬不使用栽培。その手間の部分をスマート化すれば、農薬を使わずとも作れる。生産者の高齢化が進む農業においての省力化の切り札にもなりえます。
慣行栽培の方の畑の土を分析すると、固くなってしまっているといいます。それをどうにかするべく化成肥料を入れるというのは悪循環で、この部分はどうにかすることができると考える森さん。うまくやれば有機栽培の方が手間もかからず、生産コストを低くすることもできると言います。
このスイカで「農薬不使用栽培でできることを証明したい」と力強く語る森さん。「スマート農業」と「農薬不使用」のハイブリッドでより良い未来の農業のために、今日も実験は続きます。

品種 | スイカ(品種:春のだんらんSP) |
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生産者 | 合同会社ゴダイベスト 森 俊勝 |
生産地 | 熊本県熊本市北区 |
農法 | 農薬・化学肥料不使用栽培 |